11/30(木)15:00~ 210円
いよいよ検査の結果が出る日。
待合室で待つ。名前が呼ばれる。
担当のD先生。私より若いのか老けてるのか...
そんな妙なことが一瞬頭をよぎる。変なの...
D先生「先日の検査の結果ですが、残念ながら、がんが見つかりました」
『残念ながらなんだぁ...』
不覚にも涙がボロっと出た。
年配の看護士さんが肩をさすってくれる。
D先生「切り取ったしこりを9つに分けて、その内5つから
がん細胞が見つかりました」
その写真とマンモグラフィの写真を見せて説明してくれた。
D先生「この状態では、温存手術はおすすめ出来ません」
わたし「万が一の時は、全摘でと思ってました」
そう思ったのには訳がある。
11月28日「ニュース23」の特集「がんを生きぬく 乳房再建の現実」を見て
温存の言葉のイメージとは程遠い現実にショックを受けたからだ。
これが温存手術なの?ひどいっ、外科医って残酷なことするなぁ。
それが温存手術の写真を見た素直な感想だったから。
乳房再建を強く望んでいた一人の女性の告白はショックだった。
実の母の言葉、それは
「せっかく五体満足に産んでやったのに..」だった。
だから彼女は、再建して母親を見返してやりたいって。
わたし「ステージで言うとどの段階ですか?」
D先生「う~ん、0やⅠではないですね。」
『ってことは、ⅡかⅢなのかなぁ...』
乳がんの病期 (ステージ) |
解 説 |
ステージ0 |
腫瘍が乳管または乳腺に限局し、周囲の乳腺組織への※浸潤がない(上皮内癌、非浸潤癌) |
ステージI |
腫瘍の直径が2cm未満で、乳房外への転移がない |
ステージII |
腫瘍の直径が2~5cmで、腫瘍と同側のわきの下(片側または両側)のリンパ節に転移がみられる |
ステージIII |
腫瘍の直径が5cmを超えるもので、リンパ節への転移があり、周囲の組織への癒着やリンパ節内の癒着がみられるもの。 あるいは、腫瘍の大きさにかかわらず皮膚、胸壁、乳房より下流の胸部リンパ節への転移がみられる |
ステージIV |
腫瘍の大きさにかかわらず、乳房から離れた肺や骨などの臓器や組織、あるいは乳房から離れた部位のリンパ節への転移がみられる |
※浸潤(しんじゅん)とは?
炎症や悪性腫瘍(しゅよう)の発育の場が、隣接する
組織中に侵入すること
わたし「転移はあるんでしょうか?」
D先生「実際に見てみないと何とも言えませんね」
わたし「他の先生が見ても同じなんでしょうか?」
D先生「ガイドラインで決まってるし、はっきりがん細胞が出てますからね」
わたし「実は、セカンドオピニオンとして
別の病院の乳腺外来に予約を入れてあるんですけど、
キャンセルしたほうがいいですよね?」
セカンドオピニオンとして、
車で1時間ほどの所にある、総合病院の乳腺外来に予約していた。
毎月1回、東京から、それはそれは有名な
がんの専門医が来ているのだ。だから、
予約が取れた時は、ラッキーって思ったんだけどね。
その先生のことを話すと
D先生「H先生が診ても、同じだと思いますね」
わたし「そうですかぁ...」
D先生「入院は、いつにしますか?」
わたし「えっ、まだ分かりません」
D先生「じゃ、家族の方と良く相談してください。
来週、入院の日取りを決めましょう」
会計を済ませる。210円。
あんなに深刻な話なのに210円て...
高けりゃ高いで文句の1つも言いたくなるかぁ...
この日は妹が送迎してくれたんだけど、
妹もかなり動揺していたんでしょ、帰り道で信号を見落として
赤で突っ切ろうとしてね、ヒヤッとしたよ。
その夜、布団の中で思う。
医者も辛い商売だよなぁ
それにしても、かわいそうなおっぱい。
赤ちゃんにお乳をあげることも無く、
こんなに傷だらけにされて...
そうだっ、抜糸はしなくていの?
もう先生は乳房切除(全摘手術)だから、
抜糸の事なんて、忘れちゃった?
翌日、セカンドオピニオンの予約をキャンセル。
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