先日、津波被害と原発事故被害の現実を見るという
機会に恵まれた。
人の住めない福島第一原発から20km圏内と
津波被災地域を見る見学会に参加
申し込みしておきながら、
ホントに見学なんてしていいもんか迷ったけど
主催者が、
とにかく今のことをご自分たちの目で見て
被災された方々と触れ合って下さい
と言ってくれたので少し吹っ切れた。
マイクロバスに乗って出発。
途中で見たのは、人の住めない町で
昼間だけ開いてるコンビニ。
皮肉なことに原発作業員たちの車で混んでた。
仮設住宅から片道数十キロの道を自宅に通っては
家の周りをきれいにしているご夫婦。
決して出荷できないけど、代々守って来た田んぼだからと
今年も田植えした田んぼ。
午前9時から午後3時までという立ち入り制限があって
昼を過ぎた頃からは何度も
「3時までに退出してください」と放送があった。
何度もニュースで、「あの日から時が止まったまま」
そんなふうに聞いてはいたけど
実際にその言葉通りの景色が広がってるっていうのが
凄すぎて言葉にならない。
↓ 常 磐 線 富 岡 駅



ここは7mの津波が来て、電柱は折れ曲がり
壊れた家や流された車はそのまま。
どうして片付けが出来ないかというと
放射線量が高くて除染もまだ始まっていないから。
すぐそばの小さな慰霊碑には他県の高校生たちからの
千羽鶴が供えられていて
参加者全員で黙とうを捧げた。
そして、この時計。

とにかく、すべてがショックだった。
テレビで見たところもあったけど、
本当にショックで言葉がない。
まさに息を飲む感じ。
自分の目で見るっていうのは、
こういうことなのだと分かった気がした。
放射線量が高く強制的に非難となって
人の姿が無くなった町。
玄関前に建てられたバリケード。

新築だろうが住み慣れた家だろうが容赦なく..
むごいねぇ、悲しいねぇ、悔しいねぇ..
見ていて段々腹が立ってきちゃった。
車の中の線量計は、髙い放射線量を示して
ピーピーと鳴り続けていた。
それから久之浜へ移動。
これが去年の3月の久ノ浜。

家の土台だけだった久之浜も、
一年三ヶ月過ぎて土台は片付けられて更地になり
テトラポットが並んでいた。



ぽつんと見えるのは、奇跡的に、本当に奇跡的に
津波に流されずに残った神社。
久之浜・浜風商店街へ。

久之浜・浜風商店街のおばさまたちは、
家の土台が片付いてしまってからは
「もう自分の家がどこだったか分からないわよ」と笑う。
家の土台が唯一の目印だったんだねぇ
笑顔の裏には、みんな壮絶な経験があるのだと
事前に主催者から説明があったので、
最初は戸惑ったが、みなさんホントに明るくて
なんだかこっちが救われた思い。
缶バッジには浜風笑店街とあったけど
ずっと笑顔のおばさまたちって、マジでカッコいいなぁ。
帰りに聞いた話では
転校せざる負えなかった子供たちには
いじめに合うので、どこから引っ越して来たのか
絶対に言わないようにと先生は教えるとか。
いまだに!放射能がうつるからといういじめ
アホらしい!まったく..
自分の故郷のことを隠さなければならないなんて、
何かおかしくないか。おかしいでしょ、絶対に!
どうして転校になったか、元々のことを
転校先の子どもたちもその親たちも考えて欲しいな。
それから福島県では震災関連死が津波や地震による直接死を
上回ってしまったことに触れ
避難先の仮設住宅から立ち入り禁止の自宅に夜入り込み
そこで自ら命を絶つ人が増えているそうだ。
もし自分が東日本大震災からず~っと仮設住宅なら
精神的に参ってしまい、体も心も病むかも。
ましてや年寄りがいたら、さぞや大変だろうなと。
今回の見学会には
関東から参加された方たちもいたので
その方たちの思いを聞けたし
自分の思ってることも話せたし
参加してホントに良かったと思う。
なによりも自分の目で、
今のことをニュースにもならないこの現実を
ちゃんと見ることができたから。
主催者が、
将来ここがきれいになった時にでも
あの時、ここに行ったのよという証に、
ぜひとも写真を残して下さいと
シャッターを押してくれた。
写真はアップしないけど、私はもちろん
他の方も困った顔で映ってたように思う。
最後に、
これが何だか分かりますか。


除染で出た汚染土の入った袋の山。
人の住めなくなった町の、草や柳の生えた田んぼに
こんな風景が広がっていた。
見にくいけど上から2枚目の駅の写真にも、
海沿いに黒い袋が並んでいた。
いまだに県内での中間貯蔵施設は
どこなのか決まっていない。
ましてや、最終処分場を県外になんてダメでしょ。
だってイヤでしょ?
みんなのとこに
ある日突然こんなのが持ち込まれたら..
長くなりました。
東日本大震災の被害のこと、
原発事故の被害のこと、
いまだ避難してる人のこと
ずっとずっと忘れないで欲しい。
ただそれだけ。
もちろん、自分にもそう言い聞かせつつ
そして今のこの平凡な生活に感謝しながらね。
無責任発言連発のお偉い人たちも
同じコースを見たらいいのに
最近のコメント